社長のごあいさつ
本日、2025年9月期第3四半期の決算発表を行いました。
「2025年9月期第3四半期決算短信」に記載の通り、 当第3四半期連結累計期間(2024年10月1日から2025年6月30日まで)における世界経済は、当初は、経済や社会情勢の先行き不透明な状況から消費控えが進行しつつも、全般的なインフレ鎮静化が下支えとなりある程度の先行き希望が見えつつある状況でした。しかし、世界各地で地政学上の緊張が勃発もしくは継続し、また諸物価が高止まりする中で、消費ムードの失速が見受けられるようになりました。加えて、4月以降、米国が大規模な関税引き上げを実施しつつあり、それが企業や消費者の景況感にマイナスの影響を与え、今後の景気下押し懸念を拡大させている状況とみられます。
高級二輪乗車用ヘルメット市場は、上記の経済状況にほぼ沿った形となりました。昨年同期ではコロナ禍で高まった二輪乗用車ブームの減速及び流通段階での在庫調整が基調としては継続しておりましたが、上述の消費ムードの失速により、流通における在庫が期待通りに減らない状態となっております。これに加え、弊社においては、前期のような主力モデルのモデルチェンジが無く、マイナーモデルのモデルチェンジにとどまることから、今後当面は急速な販売増を見通すことは難しい状況にあります。
当第3四半期連結累計期間における日本及び海外を合わせた販売数量は、前年度比14.1%減となりました。欧州市場の販売数量は、前年同期に発売した主力2モデルの新商品(NEOTEC3、GT-Air3)の反動減に加え、天候不順や不安定な政治経済状況の影響で主要国の販売が低迷したため、前年度比16.8%減となりました。北米市場の販売数量は、景気が比較的底堅く推移しているうえ、同市場で人気のモデルをプロモーションして増量した結果、前年度比では21.0%増となりました。アジア市場については、中国において市場の低迷が続くなか、旧正月を挟んで小売店が休みを増やす等した結果、小売店から代理店への発注が一時的に大きく減少し、中国市場の販売数量が前年比18.1%減となったことから、アジア市場の販売数量は前年度比16.8%減となっております。日本市場の販売数量は、流通在庫が過剰であり、その調整が継続しているため、前年度比30.0%減となっています。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、販売数量こそ前年度比14.1%減少しましたが、円安効果等により単価が上昇した結果、売上高は22,933,069千円と前年度比2,563,066千円(▲10.1%)の減収に留まりました。生産数量の減少に比べて製造原価は増加し、広告宣伝費等の販売管理費が増加したことから、営業利益は6,704,333千円と前年度比1,134,982千円(▲14.5%)の減益となりました。経常利益は6,628,363千円と前年度比1,432,745千円(▲17.8%)の減益、税金等調整前四半期純利益は6,616,182千円と前年度比1,437,673千円(▲17.9%)の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,627,698千円と前年度比995,840千円(▲17.7%)の減益となりました。
2024年9月期通期の業績(連結・個別)につきましては、当第3四半期連結累計期間の業績は、米国を除く主要国において販売が予算を下回ったため販売数量累計は対計画で下振れしたものの、上期を通じて想定よりも円安となった効果を含めて単価が上昇しているため、各利益は計画比小幅減少で推移しております。今後、足下で回復の基調にある中国市場向け販売が期待できる一方、欧州向けは苦戦が続いており、更に、米国の関税措置発動によって米国向け販売にブレーキがかかる可能性があるため、通期連結業績予想の達成は厳しい状況にありますが、未達成の幅を可能な限り減らすべく、様々な努力を行っている最中であります。このため、現時点におきましては、2024年11月15日公表の通期連結業績予想を据え置きます。今後、当社グループの状況により業績予想の修正の必要が認められた場合には、速やかに開示してまいります。
2025年7月30日

株式会社 SHOEI 代表取締役社長
石田 健一郎